【役員報酬】
経営危機に陥ってる中小零細企業はパートさん以下の給与にまで落としている会社とそのような状態になっても高額の役員報酬を取っている会社に大別できます。
決算書だけを見ている経営コンサルタントは短絡的に役員報酬を下げなさいとアドバイスするケースがありますが、私の場合は、個人の資産や生活状態までチェックさせて頂いてからアドバイスさせて頂いています。
借入の関係で、個人から会社に資金提供しているため、その返済のために高額の役員報酬を取らざるを得ないケースが散見されます。
このような場合は個人を含めて金融対策のスキームを再構築しなければなりません。
金融機関に対してリスケを要求する場合、役員報酬削減は資産の売却とともにその会社が金融機関にも無理をお願いする以上自らも大きな痛みを伴う改革を断行するという意思表示のためにも不可欠となります。
またどうしても従業員の給与をカットしなければならない際にはそれ以上の役員報酬をカットしない限り従業員の協力を得られることは非常に難しくなります。
これ以外に特に減額については、税務法上守らなければいけないことがいくつかあります。また、変更時期や株主総会などの問題がありますので、顧問税理士などにご確認ください。
【給与・賞与】
まともな経営者なら従業員の給与を少しでも上げたい、たとえ半月分でも賞与を出してあげたいと考えているはずです。
経営者が一番悩み苦しむのが従業員の給与や賞与の削減です。
私は従業員の給与や賞与の削減は、再建のスキームが従業員の給与や賞与の削減なしで組めないときにのみ手をつけるようにしています。
本当の意味での経費削減対策が功を奏した場合、この科目に手をつける必要のないケースが意外と多いのです。
もちろんプログラムの各種対策を終えても、営業利益が出ない場合は従業員の給与にも手をつけざるを得ない旨を事前に従業員に説明をしておくことにより社員の対策への協力度や意欲も大きく違ってきます。
逆に従業員の給与や賞与を削減することにより、かれらの士気が極端に下がってしまい、それに伴って売上高や粗利益までも下がってしまうからです。
私たちがこれから目指していくのは、「売上高や粗利益を下げないで(できれば上げて)経費を削減する」ことなのです。
ちなみに、従業員に十分な説明もしないで一方的に給与・賞与を削減したり、首を切るような行為は言語道断です。そんなことをすれば、おそらく優秀な従業員から退職し、売上高や粗利益が落ち込むはずです。
【福利厚生費】
役員給与や従業員の給与・賞与を削減することにより10%近い法定福利費が下がってきます。
法定福利費とは、会社が負担している社会保険料などのことです。
役員報酬や従業員の給与・賞与を削減すれば、自動的に法定福利費も下がります。
経費削減対策後の法定福利費は下記のようになります。
法定福利費=(過去3年間の法定福利費の合計)÷(過去3年間の役員報酬・給与・賞与の合計)×(新年度の役員報酬・給与・賞与の合計)
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