借入金返済の計画作成
「経営改善計画書」を作成する前に、その資料として添付すべき「借入一覧表」を作成します。
「借入一覧表」とは、単に「今、どこからいくら借りているか」という現状をまとめた表ではありません。
今後5年間を見通して、自社が計画通りに経営を行った場合、各金融機関にいくら返済できるかという、「返済可能な月々の金額」を明らかにするための表です。
いわば、借入金の返済について計画する表だと言えます。
「いくら借りて、月々いくら返すか」という重大なことを、なんとなく決めてしまっては、会社が資金繰りに苦しむのは当たり前です。
きちんと事業計画や資金繰り(キャッシュフロー)を考慮した上で借入計画と返済計画を立てる必要があるのです。
また、すでに借り入れている借入金に関して、金融機関に返済条件変更(リスケジュール)を依頼する場合は、この「借入一覧表」が不可欠となります。
なぜなら、「返済可能な月々の金額」を明らかにしない限り、「月々いくらなら確実に返済できるので協力してほしい」とは依頼できないからです。
それでは、ワークシート<別表4>「借入一覧(状況)表」を用意してください。
「『月次および5カ年事業計画書』作成ソフト」をお持ちの方は、CD-ROM内に収録されている「使用説明書」にしたがって作成してください。
お手元に「借り入れ一覧表」または「借入状況表」がない場合は、このページの最下部に「メールアドレスのみ登録」で入手方法をお知らせしています。
<別表4>「借入一覧表」は、次のような手順で作成します。
①ワークシートの一番左の列にある「A 金融機関名」に、借入をしている金融機関の社名を記入してください。
②上記①で記入したそれぞれの金融機関について、下記の欄を埋めてください。
「B 支店名」
「C 借入金額」:最初に借り入れた総額
「D 借入年月」:借り入れた年月
「E 借入残高」:すでに返済した額を除く、現在の借入残高
③上記②で記入した「E 借入残高」について、各金融機関の残高が全体の何%にあたるかを、「F 構成比」欄に記入してください。
「F 構成比」=各金融機関の「E 借入残高」÷L(全金融機関の借入残高合計)×100
④<別表1>「月次事業計画書(今期)」の「返済可能原資(安全率80%)」の行(ワークシートの91行目、作成ソフト94行目)を見てください。この行の「合計」欄にある金額を、<別表4>「借入一覧表」のK欄(「G月返済可能額」の合計)に転記してください。
⑤「G 月返済可能額」の一番上の行にある計算式にしたがって、金融機関ごとに「G 月返済可能額」欄を埋めてください。
⑥「J償還年数」欄に、次の計算式で求められる年数を記入してください。なお、「債務償還年数」とは、「現在の借入金を完済するまでに何年かかるか」を示しています。
「J償還年数」=「E借入残高」÷K(月返済可能額の合計)÷12
⑦金融機関に「いつ」「いくら」返済すればよいかが記載された、借入金返済明細書を用意してください。
⑧上記⑦で用意した借入金返済明細書を見ながら、貴社が今後、新規借入や返済条件変更(リスケジュール)が必要かどうかについて、金融機関ごとに自己診断します。
金融機関ごとに、「G月返済可能額」と借入金返済明細書とを見比べてください。「G月返済可能額」が返済すべき額より多い場合は、新規借入やリスケジュールは必要ありません。逆に、「G月返済可能額」が返済すべき額より少ない場合は、約定通りに返済を続けると資金が不足してしまいます。つまり、新規借入かリスケジュールを検討する必要があると言えます。
「借入状況表」の入手方法
- 井上経営研究所の『長寿幸せ企業の道』
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- 2019年3月7日(木)23:59までにお送りいただいた方にメールニュースに添付してお送りします。