私に相談されるほとんどの皆様は
「経費削減は既にとことんやっており、乾いた雑巾からはもう1円の経費も削減できない」
とおっしゃられます。
しかし、私が実際にお伺いして「経費削減対策」を実行しますと、削減できる経費が山ほど出てきます。私に言わせれば中小企業の皆様の行われている経費対策は「経費節約」であっても「経費削減」とは言えない場合が多いのです。
ではなぜあなた自身では経費節約しか出来ないのでしょうか?
その原因は大きく2つあります。
① 経営者自身では「見栄」、「プライド」、「しがらみ」を断ち切ることが出来ないこと。
② 経費削減の「ものさし」がないこと。
会社が正常な時と再建期間中とでは経費に対する「ものさし」が違っていなければなりません。
会社が正常なときには適正な経費であっても、経営再建や経営改善の期間中には使うべきではない経費がたくさんあるのです。
適切に経費を削減するためには、今まで使っていた「ものさし」(=判断基準)を捨て、新しい「ものさし」で経費について考えなければならないのです。
新しい「ものさし」とは、自社の身の丈に合った「ものさし」です。
特に、資金繰りが苦しい時期には、会社が順調な時期と同じ「ものさし」を使うべきではありません。
少なくとも、会社が正常な状態になるまでの間は、特別に厳しい「ものさし」を使うことが求められます。
そうしなければ、会社が倒産してしまうかもしれないからです。
私が経費削減に使う「ものさし」は、以下の3点です。
(1) 「この経費を使わなければ、売上高に大きな影響が出るようになるか」
(2) 「この経費を使わなければ、利益額に大きな影響が出るようになるか」
(3) 「この経費を使わなければ、商品・サービスの品質、安全性、信用性など、会社の根幹に大きな影響が出るようになるか」
元帳や経費帳で一項目ずつ「この3つのものさし」をあてて判断していかなければなりません。
例えば新聞を何誌も購読している方に言いたいのは再建期間中のあなたが取引先との会話に世界情勢を話している余裕はないということです。
極論を言えば、再建期間中のあなたの会社は新聞など必要ありません。自宅で1誌購読していれば後はテレビやインターネットで十分です。
正常企業に戻られた後、適正な報酬を取ることが出来るようになってから、好きなだけ雑誌や新聞を再購読するべきです。
もうひとつ重要なことは
経費削減は贅肉を殺ぎ落とすことが目的であり、筋肉まで削ぎ落としてしまうと、売上に取り返しのつかない影響を与える場合があります。
縮んだ胃袋のようにますます売上が減少して再建計画が頓挫してしまうことがありますので人件費や販売経費を削減する際には慎重さが必要です。
続きは次回。
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