小さな会社の「経営改善講座」経営救急クリニック

このブログ小さな会社の「経営改善講座」は経営危機に陥った中小零細企業や個人事業者が、経営危機脱出から永続優良企業になるまでの具体的な考え方や対策を講座スタイルでお届けしています。 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの

このブログ[小さな会社の「経営改善講座」は経営危機に陥った中小零細企業や個人事業者が、経営危機脱出から永続優良企業になるまでの具体的な考え方や対策を講座スタイルでお届けしています。 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業 などを展開しています。

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会社がひとつになれるかどうかは「経費削減対策」に掛かっている

 

 経費削減対策は、企業再生、経営改善のメインプログラムです。


 
ここがうまく行けば企業再生、経営改善の成功が見えてきます。

そのためには、まず経費削減対策は従業員の皆さんにも参加してもらい経営再建チームを立ち上げる必要があります。

零細企業であれば、全員がチーム構成員として参加してもらいます。

 

 実際に【経営再建プログラム】でどのようにして進めているかを例にしながら、具体的に経費削減対策のやり方を紹介しましょう。

 再建チームをチームを召集する前に次のものを用意します

1,過去3期分の総勘定元帳

2,過去3期分の損益計算書

3,「経費削減対策実行一覧表」1

4,来期の損益計算計画書

 

 会議が開始されたら、まず社長は、この会議が会社の再生や改善に非常に重要であることを説明しなければなりません。

 社員の給与カットまで考えなければならない状態になっている場合は、この会議で〇〇万円以上の経費削減できなければ、給与削減まで考えなければならない。

 そのために、私もこの会議の決定に従うので、ぜひ従業員のみなさんのお力を借りたいということを宣言します。

 この会議の目的を話したあと、議長(進行役)を指名します。【中小企業再生プログラム(旧経営再建プログラム)】の第1回の会議では、多くの場合、私、井上雅司が進行役をつとめます。

 なぜなら、多くの経営再建現場で、人は、自分に影響のない決定には従うが、自分が損をする決定には多くの不満ち反対するということを嫌というほど体験しています。

つまり「総論賛成・各論反対」の会議になるのです。

 

 実は反対が一番多いのが、経営者一族なのです。

 社長が議長をやると、諸会費や接待交際費など自分が関係する諸費用例えばロータリークラブの会費や祭りなどの寄付で、会長や社長があれこれ理由をつけて最期は
「それでいいな」と高圧的にケリをつけるがおこりかねません。


 身に火の粉が降りかかると、経営者は経費削減会議前に説明したこと(下記傍線部)や果ては会議前に約宣言したことさえを忘れてしまいます。

できるだけ、直接的な利害関係の少ない人物が議長をする必要があります。

 しかし、私が実際にお伺いして「経費削減対策」を実行しますと、削減できる経費が山ほど出てきます。私に言わせれば中小企業の皆様の行われている経費対策は「経費節約」であっても「経費削減」とは言えない場合が多いのです。 

 ではなぜあなた自身では経費節約しか出来ないのでしょうか?

 

その原因は大きく2つあります。

 ① 経営者自身では「見栄」、「プライド」、「しがらみ」を断ち切ることが出来ないこと。

 ② 経費削減の「ものさし」がないこと。

 

 

 さて、作業としては、前期の元帳の勘定科目別に、一つ一つの経費を経費削減のまな板に乗せて、前述の「3つのものさし」で料理していいくのです。


 前期総勘定元帳の勘定科目の接待交際費を開くと、期首から期末までの個別仕分けがすべて日付順に記録されています。

 これを、一つも抜かり無く再建対策会議のテーブルのまな板の上に乗せて参加者全員が「3つのものさし」という包丁を手にして、その改革方針を議論決定していくのです。

 

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  上の、「経費削減対策実行一覧表」をごらんください。

 実はこの表、今は【俯瞰塾】の会員企業が実際に使用したものから考案したものですが、例えば、2行目のお歳暮に前期は5万円の経費を使っています。これがまな板の上に乗ると、

「会社が苦しいときにまで、歳暮をする必要があるのか?」

「これをやめたら、営業にさしつかえて、売上が落ちる」

などいろいろな意見がでてきます。

 この伝票の支払金額は 一品単価2500円✕20個(贈答先件数)=5万円 となります。これを要素分解することで例えば次のような対策案が出てきます。

 

対策案

  1. 全てやめて、来年の予算は0円にする

  2. 単価を2000円に下げて、 来年の予算は4万円にする

  3. 贈る件数を6割12件にして、来年の予算は3万円にする

  4. 贈答先をランクづける A:4000円✕3件 B:2000円✕4件 C:贈らない0円✕5件で、来年の予算は2万円にする

 

 

 これをさらに、「3つのものさし」という包丁で料理していき、対策案4を選択しました。この裏付けは下記の「得意先別利益貢献度表」などでしておく必要があります。

 このようにして、前期総勘定元帳の全経費科目の仕訳伝票を一つずつまな板の上に乗せて対策を考えていくのが、本当の「経費削減対策」なのです。

 一見大変な作業のようですが、必要書類を準備させすれば、小規模企業~中小企業の場合は3~4時間程度の経費削減対策会議を2~4回で終了します。

 

その上、この会議を進めていくうちに、自然と「旅費規定」や「慶弔規定」など「仕組み」のもとが出来上がってしまいます

 「従業員が領収証を持っていけば、予算や内容に関係なく精算してもらえる」

という状況も言語道断です。

 そうした会社はけっして優良企業に変わることはできません。

 そのためにも、経費削減対策には従業員にも参加してもらい、購入申請の方法などを会社のルールとして確立することが非常に大切です。

 

 議長の他にもうひとつ重要な役目があります。それは、書記です。書記はできるだけ、経理の方を指名してください。


 対策会議は来期の経費予算を決定しながら進めます。起業まもない会社や新事業や新サービスが出た場合などは例外ですが、数年分の総勘定元帳を並べてみると、面白いほど同じ経費が毎年同じ日に発生することがわかります。

 ということは、経費削減対策会議は予算作成会議でもあるのです。

 ですから経理の方には決定事項と金額をまず元帳に直接メモしその合計を月次事業計画書の予算欄に書き込むという重要な役目があるのです。

 

 総勘定元帳は従業員の誰もが見たこともない、開いたこともなく、税理士に預かってもらっているか、鍵付きのガラスケースの中で飾り物になっていることがほとんどです。

 

 そんな総勘定元帳が対策が進むに連れてボロボロになっていくのはある種感激ものです。

 

1井上経営研究所作成ワークシートのひとつ