具体的な「入を計って、出るを制す」には学びと知恵が必要です。
三戸岡道夫「二宮金次郎の一生」栄光出版社p 56~
に二宮尊徳が服部家の復興の中で借金を頼みにきた女中に薪の節約で借金を返す方法を教えるくだりがありますが
今の方法では薪は節約できない
鍋の底の鍋墨を落とすこと、火が鍋底に丸く当たるように鍋を置くこと、に因って薪は完全燃焼するので一日薪二本が節約できる
薪が完全燃焼すると、残り火の火力も強くよい消し炭ができる
この残り火でお惣菜の煮炊きくらいはできる
と具体的にどうすれば倹約できるのかの知恵を授け、
一日薪二本が節約できれば、百日で二百本の薪のお金を生み出すことができる
とアドバイスしています。
これは非常に重要な事で、経営者は社員に
「経費が多すぎるから、もっと減らせ」
などと頭ごなしに何度言っても、社員さんは動こうとはしません。
なぜなら、倹約の知恵がなければ単純に使えるものが少なくなって、社員さんの負担が増えてしまうからです。
炊き事をしても、二宮尊徳の方法なら、完全燃焼するので煙にむせることもなく、鍋底も汚れにくいので鍋を洗う手間も少なくなって女中さんも助かります。
そうして生み出した「余剰」「分度外」を変事のために蓄え、未来の売り上げの核となる「新規事業対策」や「人」につぎ込んでいくこと、これが「入るを量りる」ということです。
「分度」を決めることが出来、「至誠」と「勤労」を「習慣」化し、継続できれば、どん底の陥った中小零細企業も必ず再生・再建出来ると確信しています。
それどころか、【経営再建プログラム】で「入るを量りて出ずるを制す」ことができ、「分度」できた企業のうち、赤字脱却や債務超過解消ができただけではなく、一気に健全企業から実質無借金企業に駆け上った例が少なくありません。
「分度」とは自分の立場や状況に見合った生活や経営をすることです。
「入るを量りて出ずるを制す」る生活や経営を続けることです。
【経営再建プログラム】の時にまず、
「使った方が楽、あった方が便利という経費を使っていませんか?」
と聞くことから始まります。
「例えば、同じ色のボールペンが2本あって、1本は胸ポケットに、1本はテーブルの上にあったら楽ですよね。
しかし1本しかない場合、何か困ることがありますか? 1本で目的を果たすことができないですか?」
とたずねると、
「そんなことはありません」と答えられます。
1本なくしても困らないということは、モノを管理する仕組みや探す努力をする必要がないということです。
今の会社の置かれている状況で考えて、「使った方が楽、あった方が便利」という経費や資産の無駄を1つずつ消し潰していくしていくのが、「分度」を守るということなのです。
従業員の立場で言えば、頂いた給料からまずは、後ほどお話する他人や家族や自分自身の未来へ「推譲」するお金を積み立てたり、貯金する。
次に、その残った給与を、何からどう優先順位をつけて使っていくかを決めていくことが「入るを量りて出ずるを制す」ということなのです。
会社も個人も、これができないから苦しむだけのことです。
次回は、
「あなたは、なぜお金を借りてもすぐに苦しくなるのでしょうか?」
です。
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開催日4件・12月24日〜12月27日暗闇の中にいる追いつめられた経営者に出口の灯りを見つけ出す第1歩です。 経営救急クリニックの「面談による経営相談」は追いつめられ、一人で悩みつかれた経営者の皆様から 「闇夜に一つの光を見つけることが出来た。」 「困難に取り組む決断が出来た」 との感謝の言葉をたくさんいただきました。 「井上経営研究所代表企業再生コンサルタント井上雅司による無料相談」のみで心からの笑顔を取り戻せた経営者も大勢います。
井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に