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経営再建講座B

資産・負債対策

まずはお手元に最近の決算書をご用意ください。
貸借対照表(B/S)の左側の部分(資産の部)をご覧ください。
この部分は大きく「流動資産」と「固定資産」に分かれていますが、今回の話は「会計学」の話ではなく、再建のための話ですのでB/Sの詳しい解説はやりません。注目していただきたいのは

(a)「流動資産」の「当座資産」の現預金以外の勘定科目
(b)「棚卸資産」
(c)「その他の流動資産」
(d)「固定資産」の「工具・器具・備品」など
です。

 経営危機に陥った会社の経営者は不足する資金を借りてくることと売上を上げることのみに腐心していますが、金額の多少はあるものの今ある会社の資産・負債からお金を生み出すことを忘れてはなりません。

(a)で洗い直しをしなければならないのは「売掛金」です。全ての売掛先をチェックしてみてください。失礼な言い方ですが、売掛先にもあなたの会社と同じように
「うるさく言ってこない支払い先は放っておこう」
と考えているところがあるかもしれません。言い難いかもしれませんがこのような売掛先の気持ちは良く分かるといってもあなたの会社が倒産すれば元も子もありません。
段階を追うことが必要ですがある程度強い請求態度を示さなければなりません。不良化している売掛金についても、その相手が倒産していれば別ですが、再度請求してみると、意外とあっけなく振り込まれてくるケースさえあります。

(b)の「棚卸資産」は経営危機に陥っている会社の多くは過剰評価しています。なぜなら,金融機関へ提出する際一番粉飾しやすいのがこの科目だからです。この段階で必要なことは、金融機関に良く見せて、借り入れしようということより、不良化している棚卸資産を1円でも現金化することです。そのためには棚卸のための「ものさし」を決め、その「ものさし」にそぐわない商品は処分して、現金化する必要があります。

(c)の「その他の流動資産」には前払い費用・未収入金・立替金・仮払金などを一つ一つチェックしなければなりません。意外と目こぼししているものが出てきます。

(d)の「固定資産」の「工具・器具・備品」などについては店内や事務所・倉庫などを指差し確認するくらいのつもりで
「今,本当に必要なものなのか」
チェックしてみてください。埃をかぶった事務什器などが倉庫に場所を取って眠ってしまっていませんか?

無駄な「棚卸資産」や「工具・器具・備品」を売却することは、単に現金を産むばかりでなく、作業効率をアップさせます。ひどい例では、不良化した商品在庫を保管するために倉庫を賃貸している会社さえあります。

最期に「固定資産」の土地や建物についてですが、遊休資産になっている場合は皆さん売却などを検討されるのですが、住まいや店舗でなければ、会社の土地・建物自体を売却されることはほとんど検証されていません。多額の借入で苦しんでいるのであれば、苦労して手に入れられた土地であっても売却されるほうがリスケをするよりもはるかに効果があるとも言えます。倒産してしまえばそれらの全てを失う可能性があります。業種によっても違いますが、私のクライアントの中には一部の商店のようにそこでなければ経営が成り立たないということがないにもかかわらず、一等地で卸売業や製造業を営んで苦しまれている方もいます。これを売却して安いところに移転すれば資金繰り難が一気に解消されるケースもあります。
いまやブティックやレストランでさえ自宅を利用して「隠れ家ブティック」「隠れ家レストラン」として繁盛されている例がいくらもあります。再建計画を実行しなければならないのであればここまで考える必要があります。

ここでは詳しく述べませんが任意売却やてき除によりそれらの土地・建物が担保になっている借入を全てチャラに出来る方法もありうるのです。

問題は次々回くらいに説明させていただく「利益を伴った売上対策」を取れるための商品・技術・サービス・情報に関するコア・コンピタンスがあるかどうかなのです。これがあれば、土地や建物は再び手に入れることが十分可能だと想います。

「この土地は先祖から代々受け継がれてきた土地だから何があっても売ったりしない」
とおっしゃられる経営者がおられますが、倒産してしまえば全て取られてしまいます。私に言わせれば
「このような時のために、先祖が残してこられた」
のではないですか。

私はいったん形あるもの全てをなくした人間ですから言えますが

形あるものは必ず壊れます。天地自然の理です。
形あるものは失っても再び手に入れることが出来ます。




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