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経営再建講座A

再建計画書

 再建計画書作成の大原則は
「再建計画書は金融機関に提出するのが目的ではない。」
ということです。
「内に対する宣言書」であり「外に対する誓約書」であるということが大原則です。

 そのため非常な苦痛や犠牲が伴うものの実現可能なものでなくてはなりません。
特に売上予算や売上利益予算は再建計画着手後少なくとも半年くらいはその効果が出ないと考え、現在の売上傾向と比較してダウンさせた数字でスタートします。
利益を伴う売上対策や資産・負債対策は経費対策のようにすぐに効果は出ません。

 金融機関に提出する再建計画書を返済額と辻褄合わせされる企業がほとんどですが、それでは100%再建計画は不可能だと断言できます。
 経営者や社員の「想い」が入っていない再建計画書はまさに絵に描いた餅です。それ
ではどのようにして再建計画書に「想い」を注入していくかについて説明していきましょう。

■1:あなた自身の生涯目標と経営理念の確認

「何のために事業を行うのか」再確認が必要です。
ここで言う経営理念は先代からずっとあなたの会社の社長室の壁に掲げている美辞麗句な社訓ではなく、あなたの人生観と一致した経営理念である必要があります。

▼本当にあなたは今の仕事にあなたの人生を掛けることが出来るか問い直してください。

▼これがなくなったら自分自身の存在理由さえもなくなってしまうくらいのものがありますか?
これを熱い思いをこめて自分の言葉(難しいカタカナ用語や経営用語を使わないでください)で語ることが出来れば社員にも伝わります。

 最近何かと問題の多いダスキンを例にとると、肉まん事件や前会長の特別背任問題などはまさにこれの欠如が原因なのではないかと思います。
「喜びのタネをまこう」
実にすばらしい言葉です。私が二十数年前亡くなられた鈴木清一会長のケントク時代のお話をうかがったときは他人の私でさえ涙をこぼしました。鈴木清一会長の人生観と会社の経営理念が一致したからこそ社員が賛同し、協力者が現れ現在のダスキンが出来たのだと思います。いまダスキンの
「喜びのタネをまこう」の言葉は社長室の額縁言葉になってしまっており、社員の心の中には存在していないように思えます。
 鈴木清一会長は天国から本社の看板に掲げている看板を見て「おろしてしまえ」といわれているような気がしてなりません。

  大きい小さいは関係ありません。あなたの会社も創業の理念など忘れ、資金繰りを良くすること、儲けることのみに始終しているのではありませんか。

■2:経営目標とビジョンを明確に

  長期的な経営目標を期限を明確にして作成してください。あまり細かい数値にこだわることなく、出来れば社員やあなた自身の気持ちが高揚するような言葉で表してください。(これがビジョンです)到達目標は目をつぶれば脳裏に描けなければなりません。又経営目標に至る道も示さなければなりませんがベクトル(方向)さえ示せれば構いません。

■3:1年後の目標の設定

 1年後あなたの会社をどうしたいか具体的に箇条書きしてください。

道はベクトルだけでも構わないといいましたが、短期の道標がはっきりしていなければ社員はついてきません。

■4:SWOT分析とコア・コンピタンスの探索・創造

 こんな言葉など別に覚える必要はありませんが意味だけは理解してください。
 SWOT分析とは会社に好影響を与える内部環境の強み(S)と悪影響を及ぼす内部環境の弱み(W)好影響を与える外部環境の機会(O)と悪影響を及ぼす外部環境の脅威(T)の略です。経営危機に陥っている企業の多くは好影響を与える内部環境の強み(S)の欄に記入する事項がほとんどないのが実態です。

  コア・コンピタンスとは他企業が真似しにくい独自の能力であり、競争優位の源泉となる製品・技術・サービスを意味します。これも好影響を与える内部環境の強み(S)と同様経営危機に陥っている企業の多くは持っていません。

  内部環境の強み(S)の発見・活用方法、コア・コンピタンスの発見・創造方法は残念ながら、私のノウハウであり、私のコア・コンピタンスですのでHPでお教えすることは出来ません。「研究・研修費」の意義を理解し、情報価値に対価を支払える方のみが獲得できます。

■5:過去の財務諸表の分析

 少なくとも過去3年の決算書から「連動式財務三表」を作成します。「連動式財三表」は簡単に言えば過去数年分の貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッュフロー計算書(C/F)が1枚の表で見れるものです。この表を作成することによってもうけた金がどこに行ってしまったのか、借りた金がどこに消えてしまったのかが手に取るようにわかる上に再建計画の柱のひとつ資産・負債対策が見えてきます。

■6:未来の財務諸表の作成

 同じように3年後くらいまでの「連動式財務三表」を作成します。この表を作成することにより、このまま行けば3年後あなたの会社がどうなっているか推測できます。
 モチロンこのまま銀行返済をしていいものなのか、リスケ交渉しなければやっていけないのかまたその額はいくらなのかがわかってきます。
 この表を見られたらこのまま何も手を打たなければあなたの会社が倒産と無縁でないことがはっきりわかるかもしれません。
 私の作成する「連動式財務三表」は税理士さんが作成されるものとは少し違います。教科書通りに言えば間違った表かもしれません。税理士さんにとっては正しくないといわれる方がおられるかもしれません。たとえば個人からの借入金を短期借入金の科目から長期借入金や資本金に移行することもあります。私の作成する表はあなたの会社の再建のために活用する表であって、税務署や金融機関のための表ではないわけですから・・・。



 「初回問診(1日経営ドック)」ではあなたの会社が進むべき道をアドバイスするために、「連動式財務三表」を作成しています。健康診断のつもりでお受けになることをお勧めします。


 ここまで来るとほとんどの経営者は資金繰りを解消するために再建計画書を作成することから、絶対に再建してみせるという強い想いが出てきます。
 
 ここに私が「資金繰り対策・金融対策だけでは経営再建は絶対に出来ない」と言い続けているのを証明する資料があります。
 「中小企業白書2003年版」のP114〜に「倒産企業と生存企業の倒産回避策」のグラフがあります。

倒産してしまった企業の取った倒産回避策で顕著なのは

金融機関・取引先への出資・融資要請
経営者個人保有資産の投入
経営者個人名義での借入金を企業に投入
親戚・知人への出資・融資要請
役員・従業員の削減

一方、生存企業の取った倒産回避策で顕著なのは

営業・販売活動の強化
仕入・外注費の値下げ(要請含む)

倒産してしまった企業・生存企業双方が取った倒産回避策

役員・従業員の報酬・賃金カット

 これからもお分かりのように経営再建に失敗する会社の多くは経営再建対策=資金繰り対策と考えていることにあります。

 「緊急資金繰り対策」と同時に、私は「経営再建プログラム」のクライアントと以上のことを作成するために丸1日以上問診に費やします。ほとんどのクライアントは早く再建計画書を作成してリスケ交渉をし、資金繰りを楽にしたい思いですが、この段階をいい加減にしてしまうと、再建計画の達成は非常に困難になります。逆に再建計画書を作成してみるとリスケなど必要でなくなる場合まであります。

 再度書きますが、再建計画書作成の大原則は

「再建計画書は金融機関に提出するのが目的ではない。」ということです。

「内に対する宣言書」であり「外に対する誓約書」であるということが大原則です。

 経営者ご自身で「経営再建計画書」を作成するのには相当の「知識」がなければなりません。さらにそれを活用するためには相応の「知恵」が必要になります。



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