私に相談されるほとんどの皆様は
「経費削減は既にとことんやっており、乾いた雑巾からはもう1円の経費も削減できない」
とおっしゃられます。
しかし、私が実際にお伺いして「経費削減対策」を実行しますと、削減できる経費が山ほど出てきます。私に言わせれば中小企業の皆様の行われている経費対策は「経費節約」であっても「経費削減」とは言えない場合が多いのです。
ではなぜあなた自身では経費節約しか出来ないのでしょうか?
その原因は大きく2つあります。
@ あなた自身では「見栄」、「プライド」、「しがらみ」を断ち切ることが出来ないこと。
A 経費削減の「ものさし」がないこと。
会社が正常な時と再建期間中とでは経費に対する「ものさし」が違っていなければなりません。会社が正常なときには適正な経費が再建(改善)期間中には不要な経費が沢山あります。
元帳や経費帳で一項目ずつ「ものさし」をあてて判断していかなければなりません。例えば新聞を何誌も購読している方に言いたいのは再建期間中のあなたが取引先との会話に世界情勢を話している余裕はないということです。大企業ならまだしも小規模事業や中小企業の経営者であるあなたに世界の経済の動きは関係ありません。特に最近は日本の経済情勢を考えれば考えるほど自社の不振を納得してしまう経営者が多いのが現実です。経営DIなどをみても「-40%」が売上ダウンということは「20%」が売上を維持またはアップしていると見なければいけません。あなたの会社がその勝ち組みになっても日本経済の趨勢はまったく変りません。その業界の大きなシェアを持っていれば経済の細かいチェックが必要でしょうが再建期間中のあなたは新聞など1誌購読していれば後はテレビやインターネットで十分です。正常企業に戻られた後お好きなだけ雑誌や新聞をご購読ください。
もうひとつ重要なことは
経費削減は贅肉を殺ぎ落とすことが目的であり、筋肉まで殺ぎ落としてしまうと売上に大きな影響を当ててしまい、縮んだ胃袋のようにますます売上が減少して再建計画が頓挫してしまうことがありますので人件費や販売経費を削減する際には慎重さが必要です。
では経費の科目毎にポイントを述べていきましょう。
【役員給与】
経営危機に陥ってる中小企業はパートさん以下の給与にまで落としている会社とそのような状態になっても高額の役員給与を取っている会社に大別できます。決算書だけを見ている経営コンサルタントは短絡的に役員給与を下げなさいとアドバイスするケースがありますが私の場合は個人の資産や生活状態までチェックさせて頂いてからアドバイスさせて頂いています。借入の関係から個人から会社に資金提供しているためその返済のために高額の役員給与を取らざるを得ないケースが良くあります。このような場合は個人を含めて金融対策のスキームを再構築しなければなりません。
金融機関に対してリスケを要求する場合、役員給与削減は資産の売却とともにその会社が金融機関にも無理をお願いする以上自らも大きな痛みを伴う改革を断行するという意思表示のためにも不可欠となります。また従業員の給与をカットする際にはそれ以上の役員給与をカットしない限り従業員の協力を得られることは非常に難しいことのなります。
【給与・賞与】
まともな経営者なら従業員の給与を少しでも上げたい、たとえ半月分でも賞与を出してあげたいと考えているはずです。経営者が一番悩み苦しむのが給与や賞与の削減です。私は従業員の給与や賞与の削減は再建のスキームがこの削減なしで組めないときにのみ手をつけるようにしています。本当の意味での経費削減対策が功を奏した場合、この科目に手をつける必要のないケースが意外と多いのです。
もちろん他の再建対策が未達成の場合は従業員の給与にも手をつける旨を事前に従業員に説明をしておくことにより社員の再建への協力度も違ってきます。
【福利厚生費】
役員給与や従業員の給与・賞与を削減することにより10%近い法定福利費が下がってきます。
【広告宣伝費】
売上不振からこの科目の経費が増加傾向にあります。広告宣伝費は麻薬的なところがあるため、経費倒れになっているにもかかわらず資金繰りのために安売り広告を続けている企業が多く見られます。私が一番大鉈を振るう経費科目です。後日「利益を伴う売上対策」で詳しく述べていきますが、基本的には「日繰り資金繰り表」で広告宣伝費をゼロにして資金繰りが成り立つかを検証し、資金繰りに問題がない期間に新たな売上対策(特に新たな情報伝達方法)を行動に移すことです。
【備品消耗費・事務消耗費】
全ての経費科目について言えることですが再建期間中の「ものさし」を利用して稟議システムを導入しなければなりません。特にこれらの科目は小額の場合が多いため見逃しがちです。購入先も洗い直し、品目毎の購入先を決定しておく必要があります。
又頻度が高い品目については改めて数社から見積もりを取っておく必要があります。
【旅費交通費】
出張費や日当も再チェックが必要です。従業員の協力さえ得られれば遠距離出張の何分の一かを車中泊にする必要があるかもしれません。実際に私のクライアントの卸売業の会社では従業員の協力で3泊の場合1泊(営業稼働時間が少ない日)を車中泊にしてその浮いた宿泊費の半額を手当てとして支給しているところがありますが従業員には数千円の小遣いが手に入るため以外と簡単に協力してくれています。但し、従業員の健康面に支障が出るような策は絶対に行ってはなりません。
【リース料・賃貸料】
リース料について意外と経営者の皆様がご存知ないのがリース期間満了後の買取についてです。こちらから何も申し出なければリース会社は
「来年からは一月分のお支払いで一年間ご使用になられます。お得です。」
といってきます。これを承諾すると毎年そのリース料を払わなければなりませんがリース満了前に買い取り交渉をする(本当は購入交渉のときに決めておかなければなりません)とひとつ気分の支払いであなたのものになり翌年からは支払う必要はなくなります。
善良(無知?)な中小企業経営者は販売先からは毎回のように値下げを要求されているにもかかわらず、仕入先との交渉はほとんどやられていません。
【地代家賃】
地代家賃についても同じことが言えます。貸主も楽なところは少ないですが値下げ交渉は絶対行うべきです。この種の交渉は金融交渉と同様に粘り強い交渉が必要になります。1回や二回の交渉で相手がすんなり値下げに応じてくれるとは考えないでください。
小売業以外では移転も視野に入れるべきです。売上や人員がピークの時の状態のだだっ広い事務所や倉庫を依然として使いつづけている企業は考えなければなりません。特に倉庫は「倉庫がなければ経営が維持できないか」を基本に判断してください。倉庫がなくなったり小さくなれば自然と在庫を洗いなおす必要が出て来て、資産負債対策上も効果があります。
【接待交際費】
この後に及んで経営者個人のプライドを保つための経費が発生している企業が多々あります。ロータリー、ライオンズクラブ、JCなど即退会する必要があります。
「この接待交際費をカットすればすぐに営業や売上に支障をきたす」以外はすべてゼロにしてください。
【保険料】
一番判断が難しい経費科目です。一社ごとに、またその会社の経営状態により全て対策が変ってきますのでここで一般論を述べるのはやめておきます。ご相談頂ければ個別にアドバイスさせて頂きます。
【諸会費・雑費】
一番訳の分からない経費が発生する科目です。
「困ったときの雑費扱い」といわれるぐらいの科目ですから一項目ずつ「ものさし」を当ててチェックしてみてください。「日繰り資金繰り表」を作成していればかなりの経費削減することが出来ます。
【支払利息割引料】
この科目も「金融対策」で詳しく述べていきますのでここでは説明しません。
各科目ごとの経費削減の基本的な考え方は以上の通りなのですが、「いざ、経費削減」と取り掛かっても経営者だけでは、いや幹部や社員と協議しても、ほとんど「経費節約」出来るだけで「経費削減」までにはいたりません。
なぜなのでしょう?
答えは 経営者や幹部、社員と経費の間に利害関係が生じるからです。本当の意味での経費削減を実行するにはそれらを「ものさし」を使い、俯瞰的に判断するに人間が必要です。私が参加すると、絞りきった雑巾からまだまだ不必要な水(経費)が出てくるのです。
実際に、経営再建(改善)プログラムの経費削減対策会議に私が出席させていただくと、経営再建(改善)プログラムの費用の何倍もの経費が削減できる場合がほとんどなのです。もちろん経費削減対策会議は過去1年間の元帳を1項目ずつすべてチェックしますので最低でも丸1日を要すくらいの作業になります。
経費削減の際の重要なポイントは、すべての科目を一律に削減するのではなく、大幅削減科目、削減科目、現状維持科目、増額科目が生じてくるということです。ここでも経営再建(改善)のキーワードである「選択と集中」が必要となってくるのです。
さらに、経費削減対策も他の対策(売上仕入対策、資産負債対策、金融対策、資金繰り対策)と同様にそれぞれひとつのみに対策を講じて100点満天の成果が出たとしても根本的な解決、つまり経営再建(改善)には結びつきません。
個々の対策が100点満点でなくて80点でも、総合点が80×5=400点である必要があるのです。
そのためのすべての対策を講じるのが井上経営研究所のメインプログラムである
経営再建(改善)プログラムなのです。
経費削減対策を必要としているなら、今すぐ経営再建(改善)プログラムに着手してみませんか?
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